iDeCoって、始め方よりも「終わり方(受け取り方)」で迷いがちです。
「60歳になったら、すぐに受け取るべき?どう受け取るのが正解?」
「一時金?年金?なんか税金も関係あるって聞いた…」
…これ、誰もが一度は迷います。
僕も最初は「出口戦略って何?非常口はどこ?」状態でした。
でも安心してください。
iDeCoの出口戦略は、ポイントさえ押さえれば“整理して考えられる”分野です。
逆に、出口を間違うと入り口で得た節税効果が半減してしまいます。
この記事では、40代の方向けに
・受け取り方の種類
・税制優遇の仕組み
・迷ったときの考え方
・よくある落とし穴
を、できるだけ噛み砕いてまとめます。
まず結論:iDeCoは「受け取り方」で税金の扱いが変わる
iDeCoの老齢給付金は、基本的に次の3パターンです。
- 一時金(まとめて一括)
- 年金(分けて受け取る)
- 併用(一部を一時金+残りを年金)
そして大事なのはここ。
一時金で受け取ると「退職所得」扱い
年金で受け取ると「雑所得」扱い(公的年金等控除の対象)
つまり、「何で受け取るか」で税制優遇の種類が変わります。
出口戦略は、ここから始まります。
iDeCoの給付って何がある?“出口”の全体像を整理
iDeCoの給付は、ざっくり言うと次の種類があります。
- 老齢給付金(原則60歳以降)
- 障害給付金(一定の障害状態になった場合)
- 死亡一時金(亡くなった場合)
- 脱退一時金(かなり例外的・条件が厳しい)
この記事は「出口戦略」なので、中心は 老齢給付金 です。
受け取りはいつから?“60歳で必ず受け取る”わけじゃない
iDeCoは原則60歳から受け取れますが、実際には
- 60歳〜75歳までの間で、受け取り開始時期を選べる
- 60歳時点で加入期間などの条件が足りないと、受け取り開始が繰り下がる場合がある
というイメージです。
ここで言いたいのは、
60歳で自動的に始まるものではなく、計画できる
ということ。
まるで日本酒と同じで、
「開けるタイミングで満足度が変わります」
一時金で受け取ると何がうれしい?「退職所得控除」が使える
一時金で受け取る場合、税金の世界では「退職所得」扱いになります。
退職所得には、ざっくり言うと
- 退職所得控除がある
- さらに計算上、負担が軽くなる仕組みがある
という特徴があります。
だから一時金は、条件が合えば
税金面でかなり有利になりやすいことがあります。
ただし、ここで注意点もあるので、後半で深掘りします。
年金で受け取ると何がうれしい?「公的年金等控除」の対象になる
年金として受け取る場合は「雑所得」扱いになり、
公的年金等控除の対象になります。
ポイントは、
- 他の年金(国民年金・厚生年金など)や、他の所得との兼ね合いで税負担が変わる
- 受け取り方(年額)によっては、税金がほとんど出ないケースもある
ということ。
ここは人によって最適解が変わるので、
“仕組みを知っておく”だけでも大きいです。
併用という選択肢:一時金と年金の“いいとこ取り”もできる
運営管理機関によっては、
- 一部を一時金
- 残りを年金
のように併用できる場合があります。
併用がハマるのは、たとえばこんなとき。
- 一時金で生活防衛資金や住宅関連の資金を確保したい
- でも全額を一時金にすると、控除を使い切れず課税が増えそう
- 残りを年金で受け取り、控除枠を活かしたい
「全部をどっちか」に決めなくていい。
これだけで、出口戦略のストレスが減ります。
40代が“今から出口”を考える理由:老後は意外と忙しい
出口って、60歳になってから考えればいい…と思いがちです。
でも実際は、60歳前後って意外とやることがあります。
- 仕事の整理(続ける/辞める/変える)
- 退職金の受け取り
- 年金の準備
- 親の介護や住み替え
- 子どもの独立や学費の最終局面
ここに「iDeCoどうする?」が乗ると、脳みそが渋滞します。
だから40代のうちに、出口の“地図”だけでも持っておく。
これがめちゃくちゃ効きます。
ここからが大事:出口戦略で見落としがちな注意点
退職金とiDeCoの一時金は、控除の使い方で差が出ることがある
退職金とiDeCoを一時金で受け取る場合、
同じ年に受け取るかどうか、受け取る順番や時期、他の退職金との関係で
税金の計算が変わることがあります。
細かいルールは個別事情で変わるので、
ここは“無理に断定しない”のが正解です。
出口戦略としては、
- 「退職金がある人ほど、受け取り時期を雑に決めない」
- 「制度の説明だけでなく、税務の確認もセット」
この姿勢が大切です。
※この退職金控除をどう使うかが出口戦略の重要なポイントなので詳しくは別記事で書く予定です。
年金で受け取る場合は「他の収入」とセットで考える
年金受け取りは、公的年金やパート収入、家賃収入など
他の収入と合算される前提で税金が決まります。
「年金で受け取れば必ず得」とは言い切れないので、
“全体の収入バランス”を見るのがポイントです。
受け取り開始を遅らせる=運用を続ける、という考え方もある
受け取り開始を遅らせれば、その分運用が続くケースもあります。
ただし運用は、増えることも減ることもある。
「遅らせれば絶対お得」ではありません。
“お得”よりも、「自分が納得できる形」が大事です。
よくある誤解:iDeCoは「一時金が正解」「年金が正解」ではない
出口戦略でありがちな誤解がこれです。
- 一時金が一番得でしょ?
- 年金にしたほうが税金少ないんでしょ?
…どちらも、ケースによります。
出口戦略は、言い換えると
「控除と生活の都合のパズル」
です。
家計の状況、退職金の有無、年金の受給額、働き方。
この組み合わせで正解は変わります。
だからこそ、僕はこう考えています。
迷ったら、“決めきれない前提”で設計する
→ 併用や受け取り時期の調整も含めて、柔らかく考える。
じゃあどう決める?さけパパ的・出口戦略の考え方
最後に、初心者でも迷いにくい整理法を置いておきます。
ステップ1:退職金が「ある/ない」を最初に確認
退職金がある人ほど、一時金の扱いが重要になります。
ステップ2:「一括で必要なお金」があるかを考える
住宅ローンの繰上げ返済、住み替え資金、教育資金の最終など。
一時金がハマる理由があるかどうか。
ステップ3:年金で受け取るなら「他の収入」をざっくり把握する
公的年金、働く予定、家賃収入など。
年金受け取りは“収入全体の設計”です。
ステップ4:迷ったら「併用できるか」を確認して逃げ道を作る
併用できると、出口戦略の難易度が一気に下がります。
(運営管理機関で扱いが違うので確認ポイントです)
出口戦略は“税金の最適化”より「納得できる地図づくり」
iDeCoの出口戦略は、テクニックっぽく見えますが、
本質はこれだと思っています。
- 受け取り方で税金の扱いが変わる
- 一時金=退職所得控除
- 年金=公的年金等控除
- 併用も選べる場合がある
- 退職金がある人ほど、受け取り時期は丁寧に
- 最後は「家計と気持ちがラクな形」がいちばん強い
資産形成って、増やす話ばかり注目されがちですが、
“受け取り方”まで含めて、はじめて完成します。
日本酒も同じで、買うだけじゃなくて
「どう開けて、どう味わうか」で満足度が決まりますからね。
ちなみに:iDeCoには「障害給付」という仕組みもある
iDeCoの出口というと、
どうしても「60歳以降の受け取り(老齢給付)」に目が行きがちですが、
実はもうひとつ、知っておいてほしい制度があります。
それが 障害給付 です。
これは、
- 加入中に
- 一定の障害状態になった場合
に、60歳前でもiDeCoの資産を受け取れる可能性がある仕組みです。
障害給付の大きな特徴
細かい条件は別記事で詳しく解説しますが、
ポイントだけ挙げると次の通りです。
- 老齢給付と違い、年齢に関係なく受給対象になる可能性がある
- 原則として、所得税・住民税がかからない非課税の給付
- 一時金・年金形式など、受け取り方が選べるケースもある
つまりiDeCoは、
老後資金を育てる制度であると同時に、
万が一のときの“セーフティネット”的な側面も持っている
ということです。
なぜ40代こそ、知っておく意味があるのか
40代は、
- 働き盛り
- 住宅ローン・子育てなど固定費が大きい
- 「もし働けなくなったら…」の影響が大きい
年代です。
そんな時に、
「iDeCoって、実は障害時にも使える可能性があるんだ」
と知っているだけでも、
制度の見え方が少し変わります。
※なお、障害給付の具体的な条件や判断基準はやや複雑で、
解釈や個別状況によって結果が変わる可能性があります。
そのため、この点については別記事で、
一次情報をもとに丁寧に整理する予定です。
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